Retired Colourman

何度も朝がやってくる

社会性フィルターについて - わかられない自由について

このツイートがバズってから随分経った.このツイート自体が伸びることに関しては問題がなくて*1,それよりも「社会性フィルター」という言葉がバズってしまったことが時々僕を後悔のラウンドに立たせることがある*2

 このツイートがバズる前から「にゃーん」というツイートをタイムラインで見かけることがあった.それに果たしてどのような意味があるのかは僕にはわからなかったが,わからないから良かったのではないかと,そう思うことがある.つまりそれは「にゃーん」の裏側にある感情や個々人の事情の存在があやふやであるが故にぼくらはその「にゃーん」の持つ意味を受け取らずに済んでいたのだと思う.

 本当につらいことがあったのかもしれない.なんとも言えない事情が後ろにあったのかもしれない.ただ猫になりたいと思っていたのかもしれない.本当は「荷物がとどかない」とツイートしようとしたがIMEがたまたま「にゃーん」をサジェストしてきたのでそれを呟いただけだったのかもしれない.つまりその本当の意味は本人しかわからず,意味を持つかどうかさえ本人にしかわからなかったのだ.

 しかし今はどうだろうか.僕のツイートにより『「にゃーん」は「社会性フィルター」を通して呟かれるもの』という前提が作られてしまい,その本来の意味こそわからないものの,意味を持つということが決まってしまったのだ.これは大きな過ちだったのではないかと,私は思う*3

 つらいことがあったかどうかもぼやけさせたい時というのはある.つらいと言っていいのかわからないときもある.なんとも言えない感情に襲われることだってある.それを暖かく包んでくれた「にゃーん」は,唐突に理解のフィールドに押し上げられて「わかる」ものになってしまったのだ.本人がわかられたいかどうかに関わらず.理解とはときに暴力的であるということを,私は理解できていなかったのだ.カテゴライズされる苦しみが,確かにそこにはあるのだろう*4

 私は強く後悔している*5.ここに意味を持つことを望まなかった数々の「にゃーん」に哀悼の意を示し,もっと「語られぬ意思」が語られない権利を大切にしていきたいと思う.

*1:通知が邪魔だが,

*2:ない

*3:思ってない

*4:ほんとかよ

*5:してない

サークルにSlackを導入した

 サークルの引き継ぎがあったのでいろいろやっていた。うまくやってインフラ関係をいじれる立場に移ったので、どこまでうまくやっていけるか実験的知見を得ることもふくめて頑張っていきたいと思う。ちょっと思っていることを書く。

 僕が所属しているサークルは完全にプログラミング系のみというわけじゃなくて、DTMやCGの人もいる。プログラミングをしている人もみんながみんなオタクっぽい(ここでのオタクは「ソフトウェア操作に対する勘を持ち最初のわかりやすさよりも機能性を重視する人」ぐらいの意味。)わけではないので、少しSlackを導入するのを躊躇っているところがある。

 Slackいいよ、Slack最高というのはエンジニアの間で言われることではあるんだけど、Slackを使いこなすのは正直難しくて、コミュニケーションツールを使うときに自分がどの情報を真剣に受け止めるべきかといったことに関する取捨選択や、話題を適切に振り分けるためのコストをかけることができる人というのは実は限られていると思っている。ベストプラクティスを探していくことが好きな人しか結局は使いこなせないのではないかという疑問は常にあって。ツールが持つ機能をツールは管理してくれないので、その使い方やルールをうまく敷いていくのはユーザー本人なのである。これはTrelloみたいなツールにも言えることではあると思う。

 一方で、LINEなんかは使い方が限られてくるので、新しいことを行う場合多少どんくさいやり方を強いられることになる。これは統一性や管理の問題を考えると馬鹿らしくはあるんだけど、少なくともツールの持つ有能性に振り回されるということはない。できることが限られているということは少ない選択肢の中でやっていけばいいということであり、少なくともその危険性を理解しているのであれば別に問題ないと思ったりする。

 結局は取捨選択の問題であり、どちらを取るかというのは難しい話ではあるんだけど、個人的には人数も多くグループ内でのコミュニケーションを進めていこうというときにSlackはそんなに悪くないんじゃないかと感じている。とりあえず一ヶ月ほどテストしてみる。また気づいたことがあればどこかに書く。

pugで変数に格納した文字列をmarkdownフィルターにかける

- var markdown_str = "[testlink](example.com)";

みたいなのがあったときに,markdown_strをそのまま :markdown-itの下にいれても上手く適用されない.理由はFilters – PugのWarningの部分を読めばわかると思う.

なので面倒だけどこうする.

- var md = require('markdown-it')();
- var markdown_str = "[testlink](example.com)";
div != md.render(markdonw_str)

!=を使うとエスケープされないので,md.render()でHTMLに変換したmarkdownをそのまま突っ込める.markdown-itは:markdown-itが使える環境ならrequireできる.あとビルド時にどうにかして{require:require}を設定してあげないとダメ.

『コンピューターで脳が作れるか』を読んで

コンピューターで「脳」がつくれるか

コンピューターで「脳」がつくれるか

kazoo04様に献本して頂いたのでレビューさせていただきます。

理解しやすい構成・文章

 とにかくまずわかりやすかったです。専門知識のない方でも理解しやすいように平易な文で書かれており、また文章の構成が丁寧であるため文を追う上で理解できないということがなかったのが好印象でした。イラストや図解も丁寧で可愛らしく、そういった意味でも飽きない内容となっていました。  また、いきなり脳の説明から入るのではなく、人工知能の定義や分類、その歴史なども丁寧に解説されており、読んでいく上で理解につながりやす買ったのではないかと思います。

興味深いトピックの選択・丁寧な解説

 わかりやすいこともそうですが、それぞれについて解説が丁寧であり、初学者向けの「煽りがちな」文章ではないことも非常によいところだと思います。各章についている「コラム」の内容などもとても面白く、技術的な活動をしている人も満足できる内容だったと思います。(個人的には「正確性を犠牲に」などの注意がついているところが技術への真摯さを感じられてよかったです。)

広いカバー範囲

   一口に「人工知能に興味がある」といっても、「人工知能が将来に及ぼす影響」に興味があるのか、「人工知能をどうやって作っているのか、その技術」に興味があるのか、「人間の脳と人工知能の違い」に興味があるのかなど様々だと思いますが、様々な事柄をなるべくカバーしているのも特徴だと思います。そういった意味でも様々な人に手にとっていただきたい本でした。

人工知能について興味のある方におすすめの一冊です。あととにかくイラストがかわいい。

コンピューターで「脳」がつくれるか

コンピューターで「脳」がつくれるか