GRAPEVINEについて
これはロックバンドAdventCalendarの記事です.遅れてしまい本当に申し訳ない.
さて今回はGRAPEVINEについて話をしていきたい.
ロックが好きな人なら一度は名前を聞いたことがあるんじゃないだろうかと思う.結構長い活動のバンドで,1993年に結成してる.今はボーカル・ギターの田中和将、ギターの西川弘剛、ドラムスの亀井亨の三人で結成されている.西原誠さんというベーシストがリーダーをやっていたんだけど,病気の関係で2002年に脱退している.
GRAPEVINEの魅力といったらこれ,と断言するのは難しいけど,まず一つあげるとしたらその歌詞じゃないだろうか.
「光について」*1に代表されるようなどこか退廃的な,感傷的な,表現しきれない感情を見事に出してくれるその歌詞は多くのファンを虜にしてきただろう.
何もかも全て受け止められるなら 何を見ていられた?
退廃的な雰囲気を歌う彼らもカッコいい.「スロウ」とか「アナザーワルド」,「望みの彼方」のような『鬱曲』*2も彼らの魅力の一つだ.
一方で独特の言葉選びもよい.「FLY」の歌詞でこんなのがある.
宇宙船値札つき なら甲州街道で試したい
宇宙船値札つきってなに?という感じなんだけど,曲はメチャクチャにかっこいい.嘘だと思ったらきいてみるといい.最高だから.
その歌詞の魅力はたくさんあるけど,個人的に一番いいなと思ったのは彼らのインタビューの解答だった.REVIEW | GRAPEVINEより引用する.
仮にグレイプバインの歌詞がまったく意味のないデタラメ語であったとしても意は伝わると思うか、という、こちらの突拍子のない質問に、田中は淡々とした口調でこんなふうに答えたのである。
「伝わるんじゃないかなって思いますね。基本的にぼくらは(洋楽を)英語をわからずに聴いてきたわけじゃないですか。自分たちが曲を作る時も、仮歌ってデタラメ英語的なもので歌ってるんですよ。それでぐっとくるかどうかやってるから。正直、邦楽って日本語が聴こえてくるのがものすごく邪魔だったりする。自分の想像をすごく邪魔された気がして。だから、言葉なんて見えなくても伝わるんじゃないかって思いますね。ぼくは曲から映像的なイメージを伝えたいと思うので、意味をなくしたいんですよ。だから曲から受けるイメージを阻害しないような言葉選びをしてます。深読みしたい人は深読みして聴けばいいし、聴こえてきたワンワードから自分で想像を広げてもらうのが嬉しいですね」
これを見て「ああ,めちゃくちゃカッコいいな」と思ったのを覚えている.彼らの歌詞とどう向き合おうとこちらの自由なのだというのが,彼らの曲の楽しみ方を膨らませていく.何も考えずに駅のホームで暇つぶしにきいていいし,適当に本を読みながらメロディだけを楽しんでもいいし,一人ゆっくり歌詞カードを読んでゆっくり歌詞を噛み砕いてもいいのだ.
ある種のメッセージや他人の感情を受け取ることがしんどい時というのがあって,そういうとき僕はGRAPEVINEの曲を何も考えずに再生をしている.その楽さがいいなと思う.
アルバムも好きだ.GRAPEVINEのアルバムは,一枚でライブを楽しんでいるかのような感覚が味わえる.ここでは彼らの2番目のアルバム「Lifetime」を例に取ろう.
- アーティスト: GRAPEVINE
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 1999/05/19
- メディア: CD
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- いけすかない
- スロウ
- SUN
- 光について
- RUBBERGIRL
- Lifework
- 25
- 青い魚
- RUGGERGIRL No.8
- 白日
- 大人(NOBODY NOBODY)
- 望みの彼方
- HOPE(軽め)
この「いけすかない」→「スロウ」→「SUN」→「光について」の流れが最高すぎるのでぜひみんな買ってきいてほしい.そこからの流れも良くて,一枚最初から最後まで再生するとライブを見たような満足感がやってくる.
さらにすごいのが,このアルバムのままのセットリストでライブやっている所だ.
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2015/01/28
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これマジで最高だと思うんだけど,アルバムのセットリストがライブでそのまま聞けるのは本当にいい.この企画はほかのバンドにももっと増えてほしい.
上でいったけどライブもめちゃくちゃかっこいい.
とにかくかっこよくて,それでいてエロい.田中さんはマジでライブ映えする人だと思う.
下の映像はスタジオライブ版の光についてなんだけど,原曲とまた違った魅力が出ていて最高なのできいてほしい.光についてをきいていい曲だなと思った人ならきっとこの曲もいい感じがしてくると思う.
最後の方語彙がなくなっていて申し訳ない.いろんな楽しみ方ができるバンドなので,一度は是非きいて見てもらえると嬉しい.